今日、このような記事を目にしました。
調査報告書によると、かつてはほぼ全域で行われていたが、現在も行っている町内は半数強。
継承している町内からも、担い手不足などから将来の存続を不安視する意見が寄せられている。
2017.06.06秋田魁新報【電子版】より
なまはげの担い手不足が著しい!
「なまはげの担い手不足」は今になって始まったことではありません。4年前から(多分もっと前から)ささやかれていました。
少子高齢化により、なまはげ役を務める20代の若者が少なくなっているためで、行事の実施を見送ったり、高齢者が代役となったりする集落も増えている。
2013.04.18日本経済新聞【電子版】より
なまはげの担い手が少ない秋田県。今後の伝統文化継承はどうされていくのでしょうか?
この記事では、秋田県民である筆者が「リアルな”なまはげ事情”」をお伝えできればと思います。
「なぜ、なまはげの担い手不足が続くのか」「23歳の秋田県民はなまはげをどう思っているのか」など。
なまはげの担い手・継承者が不足する理由
筆者が考える、なまはげの担い手・減少する理由は以下の通り。
- なまはげ行事を体験する人が少ない
- 人口が減少している
- 伝統文化・行事に興味がない
筆者は秋田県民でありながら、20歳を過ぎるまで”なまはげ行事”を体験したことがありません。みなさんがよく見かける、家になまはげが来て「泣く子はいねが~!!」ってやつ。実は20歳まで体験したことが無かったんです。
理由は、”なまはげ行事”は秋田県男鹿市でしか行われないから(筆者は美郷町出身。男鹿市までの距離:約100km)
テレビなどでよく見る「泣く子はいねが~!!」は、男鹿市だけ。つまり、「なまはげ行事を体験したことがある人は男鹿市民だけ」なのです(イベントなどでなまはげを見かけたことはありますが、それは本物とは言えない)
本物を知らなければ、本物にはなれません。
秋田県はどこの市町村も人口減少が著しく、当然、男鹿市も減少しています。
なまはげの担い手・継承者不足の理由は、そもそも”なまはげ行事”を体験している人が少ないから、に尽きると思うのです。
秋田若者は伝統文化・芸能に興味があるのか?
筆者は、なまはげをはじめとした秋田県の伝統文化・芸能に興味を持っています。地元のお祭りや伝統行事…毎年心躍らせさながら参加しています!
2020年には新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、あらゆるお祭り・行事が中止となりました。中止が相次ぐ中、各地で当たり前のように行われていた祭りや行事の必要性が再認識されるようになってきています。
ましてや冬が厳しい秋田県ではなおさら。
なまはげをはじめ、秋田竿灯、角館祭りのやま行事…きっとみんなが楽しみにしています。心の拠り所にしています。伝統文化や芸能といったコンテンツは、”生活必需のコンテンツ”であることには間違いありません。
一方で、それらの担い手・継承者不足は加速するばかり。これには筆者も「どうしたものか…」と頭を悩ませています。
将来、なまはげのみならず、筆者の地元・美郷町のお祭り・行事でさえ消滅してしまう危機感を抱いています。
少しでも、担い手・継承者不足の力になりたい。
「なまはげ伝導士」になりました
2018年12月、筆者は「なまはげ伝導士」という資格を取得しました。
なまはげ伝導士とは、ナマハゲについて理解している(知識がある)人のことです。その他にも、保存伝承意識を高めたり、男鹿市を盛り上げるサポーターといった要素も含まれています。
資格取得の理由は、自分がなまはげの文化や伝統、歴史を知り、語り継ぎたいと思ったから。少しでも担い手・継承者不足解消の力になれたらな、という思いで受験させていただきました。
なまはげの歴史や文化を知る人が増えたら、担い手・継承者不足解消の足掛かりなるはず…筆者はそう考えています。
「なまはげ伝導士」が気になる方は、筆者がなまはげ伝導士になるまでの記事を公開しているのでぜひ!
人口減少の秋田県。
少子高齢化社会の秋田県。
担い手不足の秋田県。
…この先、見納めとなる祭りや行事もでてくるはずです。問題は山積みですが、それぞれが考え、行動していくしかないと思うのです。
みなさまの住む場所の「担い手不足問題」はどうですか?
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