前回までのアレコレはリンクからどうぞ。今回は後編!
イナゴの佃煮をつくるんだ!
まずは田んぼでハンティング
今となっては絶対に食べたくないイナゴの佃煮を受け継ぐ決心をした私は、稲刈り後の田んぼに降臨。
普段、稲の茂みに隠れているイナゴは完全に隠れ家を失っている。さぁ、収集するチャンスだ。
▲このエリアにイナゴがいっぱい
精神を研ぎ澄ましながら歩みを続けると、四方八方から「カサッ」と乾燥音。音の鳴る方へ手を伸ばすも、「つかまるかよぉ~♪」といわんばかりの大ジャンプを繰り広げるイナゴたち。
イナゴは素早い。
華麗なイナゴのステップに惑わされながらも、「文化の為!継承の為!」と鼻息荒く果敢にトライする私。
ようやくイナゴの動きになれ始め、エイサヨイヤサ!
まるで漁師のような雄叫びを決め込み、次々とイナゴを捕獲成功。…やはり人間の学習能力は、昆虫よりもはるかに上だ(当たり前)。なれればチョロイ。
- 素手でも大丈夫そうだが、イナゴの足のバネは桐生君並みにあります。手中、蹴り上げを食らうと地味に痛い。
- ショウリョウバッタやトノサマバッタを捕まえたい気持ちを抑え、イナゴだけを確実に捕獲しよう。イナゴ以外の佃煮は不味いらしい。
- イナゴはすぐ逃げるので、猫パンチの如くスピードで捕獲するべし(シュッ!)
- イナゴのケースは、なんでもよい。
▲一見、地獄。
捕獲したら「待つの」
「は、はやく作ろう!」…焦る気持ちをいったん静めることをオススメする。すぐに調理をしてもOKなのだが、今日の今日ではイナゴの体内に糞が残っている。少しでもクリーンな気持ちで頂きたいので、1日放置。勿論、ケースの中には草やエサ等を入れてはならない。
後から聞いた話だが、私のおばあちゃんは”その日のうちに”イナゴを佃煮にしていたようだ。私はその新鮮イナゴ佃煮を食べて育ってきたので(病気もなかったので)、イナゴの糞に害はないことを証明しておく。けれど、農薬が付着した稲をイナゴが食べている可能性もあるため、”その日のうちに”はオススメしない……..待つの。
▲捕獲ケース(ペットボトル)には空気穴をあけておきます。そして待ちます。
イナゴ調理開始
イナゴを一日放置し、いざ調理開始です。レシピはクックパッドにも掲載されています。いろんなアレンジがありました。
- イナゴ:200グラム
- 砂糖:70グラム
- 醤油:30cc
- 酒:30cc
- 寿司酢:大2
- ハチミツ:大2
1.沸騰したお湯にイナゴを入れる
1日放置したイナゴは、まだ生きている可能性があります(生きてました)。
生きているのが嫌は方は、一度冷凍させてから沸騰したお湯へ入れていきましょう。イナゴの色は次第に緑→赤に変化していきます。
2.ザルにあげる
綺麗な赤色になった時点で、ザルに移します。足や羽を取り除きたい場合、ここから1~2時間程度乾燥させて取り除いて下さい。私はありのままの姿のイナゴを頂きます。
糞が体の表面に付着している可能性があるので、ササッと水で洗い流していきます。
▲気持ち悪くない…気持ち悪くない…
煮ていきます
ハチミツ以外の調味料(砂糖・醤油・酒・寿司酢)を入れ、煮ていきます。途中、水分が無くなりそうなら水か酒を加え、30分以上煮つめます。煮詰まったら味見をして、醤油とハチミツで味を整えます。
イナゴの佃煮、完成!
ようやく、手塩にかけて作った「イナゴの佃煮」が完成。と…途中、醤油とハチミツでいい香りが漂っていたし、ぜっ…絶対ウマイ!よね!?触覚や足、羽がきもちわるい….
イナゴは、手間暇かかるけど、しっかり煮詰めなければ美味しくいただけません。瓶に詰めて保存しても冷凍保存も出来ます。
いざ実食!
清水の舞台から飛び降りる覚悟で口に運びます。
もうキモイなんて言わないよ絶対っ!!!!
うぉぉぉぉぉ~~~~!!!!!
カリッ…ボリッ….
楽しい過去、大好きな人、家族、思い出の場所。人間は生死を彷徨うと、様々な思い出が一瞬にしてフラッシュバックするそうです。フラッシュバックを体験したことのない私は、この日、初めてそれを体験したのでした。
幼少期の思い出。秋田の大自然。
大切な事はすべて「イナゴの佃煮」が思い出させてくれました。
そして、高揚してます。
”グロいしキモい”お馴染みのイナゴの佃煮は、驚くほどにウマイから。やっぱり、ウマイ!
イナゴの佃煮はビンやタッパーに入れて保存しておけば、結構長持ちします。このブログを書いている時は、調理してから3日経過しています。今ではイナゴに味も染み渡り、子エビのような歯ごたえとカルシウム加減。佃煮特有の甘さも、確実にマッチしています。
イナゴの佃煮はグロい!キモい!と拒絶していた私ですが、今となっては毎日美味しくいただいております。【グロいけどウマい】のギャップ、案外ハマりそうです(笑)
是非、皆さんも挑戦してみてください!