【食べ残し・廃棄問題】食材を多く扱う飲食店って「食品ロス」めっちゃしてるんじゃない?秋田市川反の居酒屋・秋田乃瀧を徹底取材!

じゃんご
先日、秋田県温暖化対策課さんが制作した「食品ロス削減にかかる『食べきり運動』を推進する動画」に出演させていただきました!

じゃんご
この動画では、私たちの食べ残しが最後、どのように処理されているかを秋田市総合環境センターに取材したものです。
じゃんご
そこでわかったのですが、秋田県の家庭から発生する食品ロス(本来食べられるのに捨てられてしまう食品)は、年間3.6万トンあるようなんです!多いですよね。
じゃんご
このような食品ロスや生ごみを減らすため、私たち消費者は「おいしく、適量を、残さず、食べきる」ことが重要になってくるのですが…。

じゃんご
食材をたくさん扱う飲食店って、食品ロス削減に取り組んでいるのだろうか?

じゃんご
…という疑問が生まれてきました!そこで今回は秋田市にある「秋田乃瀧」さんへ、食品ロス削減の取り組みについて取材することに。

川反エリアの秋田名物が食べられる居酒屋「秋田乃瀧」

じゃんご
お話しを聞くのは、秋田乃瀧 店主の齊藤さんです。よろしくお願いします!

秋田乃瀧(あきたのたき)店主 齊藤育雄さん。秋田県飲食業生活衛生同業組合 理事長も務めています

じゃんご
僕、秋田乃瀧に初めて来たのですが、いつ頃からオープンしているお店なんですか?
齊藤さん
もともとこのお店は「養老乃瀧(ようろうのたき)」という名前で、昭和55年にオープンしたんです。その頃は店主も違う方がやっててね。※養老乃瀧は全国チェーン店と異なります
齊藤さん
平成5年にお店を譲ってもらう形で私が店主になり、「秋田乃瀧」という名前でリニューアルオープンしたんです。
じゃんご
平成5年って、僕と同い年ですね~!(なにか縁があるのかも)
じゃんご
普段はどんなメニューを提供していますか?
齊藤さん
居酒屋だからおつまみメニューが多いけど、人気なのは秋田の鍋料理だね。「きりたんぽ鍋」とか「しょっつる鍋」とか。県外の方や外国人も来店するんだけど、秋田は四季がはっきりしているし、旬の食べ物が多いから紹介するのに困らないんだよ。
じゃんご
(メニューを見る)あっ、「石焼桶鍋」もあるんですね!

仕上げに400度に熱した石を投入する、魚介類や旬の野菜が入ったインパクト抜群の秋田郷土鍋

齊藤さん
そうそう!パフォーマンスが派手だから、外国人の方からはすごくよろこばれるよ。
じゃんご
それにしても桶のサイズが大きいですね〜。
齊藤さん
そうなのよ。だからお客さんが石焼桶鍋を注文した時は、実際に桶を見せるんです。「このサイズだけど大丈夫?」って。

左から「4人前」、「2人前」、「1人前」のサイズ。想像以上に大きかったです

じゃんご
お客さんにとっても嬉しいですね。
じゃんご
それにしても1人前でも、結構なボリュームありますよね!?
齊藤さん
そうだね~。これにはね、昔からの秋田の文化的なものがあるんだと思うんです。例えば宴会時、テーブルに料理が1品しかなかったら、「なんだよこれだけ?」っていう感覚が、私たちの年代ではあるんだよね。だからうちでは、1人前でもちょっと量が多いくらいに提供してるんです。
じゃんご
見た目を気にする県民性があるのかも!?
齊藤さん
お腹の調子は人を見ただけでは分からないからね。だから秋田乃瀧では鍋料理に限らず、注文を受けた際は「声かけ」をするようにしています。

30年前から変わらぬ「声かけ」

じゃんご
どのような「声かけ」をして、食品ロスを防いでいるのでしょうか。
齊藤さん
お店がオープンしたばかりの頃、2人で来店されて、鍋料理を2つも3つも注文されることがあったんです。最初は注文のまま提供していたけど、うちの鍋料理は少し量が多いから食べ残しが目立ってきてね。
じゃんご
食べ残し、もったいないですね~。
齊藤さん
でしょ?だからそれを防ぐために、「1番食べたいメニューはなんですか?」と声かけをして、1品ずつ提供するようにしたんです。1品食べきってからお腹の調子を見て、次のメニューを注文してもらえば食べ残しが減ると思って。

秋田乃瀧の一部メニュー。鍋料理に限らず、いっきにたくさん注文しそうになります

齊藤さん
営業的にはマイナスなんだけど、いっきに料理を3つもだして、2つも残されたらもったいないじゃないですか。この「声かけ」は、私だけでなく従業員にも必ずするようにと伝えています。
じゃんご
いつ頃から「声かけ」をするように?
齊藤さん
30年ほど前からやってるね。「こんなに量が多いんだったら最初から言ってよ」ってお客さんに言われたことがきっかけです。お店によっても1人前の量ってそれぞれだから、量を教えないのは俺らが悪いなって思ったんだよね。

消費者の気持ちの変化

これから忘新年会の季節。食べ残さず、全部食べきる意識をもちましょう

じゃんご
宴会時で食べ残しを減らすために工夫していることはありますか?
齊藤さん
「食べきれる量を提供する」というのがまず1つ。品数を減らすのではなく、1つの料理を食べきったら1品ずつ追加で提供するなどの工夫をしています。
齊藤さん
宴会時のお客さんの中には、「もうこれ以上出さなくていいです!」という方もいるんです。昔ではありえないことだけど、お客さんの意識が変わったのかな?それこそ、店頭に設置しているポップのおかげで、「食べきれないなら注文しないほうがいいな」という食品ロス削減の意識が、お客さんにも芽生えているのだと思います。

秋田県内の飲食店に配布されている「食べきり」啓発ポップ

齊藤さん
最近では「食べきれるように量を半分にしてください」という注文も多くなってきました。うちの場合はその料理の全額、っていうわけにはいかないから、その分の値段を引いて注文を受けています。
じゃんご
お店もお客さんも、食品ロス削減の意識があるって素敵ですね!

食材をムダにしない工夫

じゃんご
食べきってもらう工夫のほか、食品ロス削減を意識していることはありますか?
齊藤さん
「生ごみの水切り」は以前からやってたけど…。最近でいえば、「仕入れた食材を全て使い切る」ことを意識しています。例えば、ネギの青い部分や生姜の皮はこれまで廃棄していたけど、調理する際に全て使うようになったよね。
じゃんご
食材を使いきる工夫はいつ頃から?
齊藤さん
昔はあたりまえだったんだよ。私たちが若い頃は食材をムダにしないのがあたりまえ。いつからかそれが面倒になり、お店の回転率や利益を求めて廃棄するようになりました。
齊藤さん
そういうのがコロナ禍になって客足が読めなくなったことや、SDGsの取り組みによって戻ってきた印象だね。食材のロスをできるだけ減らす取り組みは、それぞれのお店で工夫していると思うよ。
じゃんご
齊藤さん自身、普段生活していて食品ロスを意識する場面はありますか?
齊藤さん
外食をする時、そのお店が提供する量がわかっていたら、食べきれる量を注文しています。それこそ、うちに来るお客さんのように「量を半分にしてください」ってね。
じゃんご
僕も食べきりを意識して、普段の生活を送りたいと思います。今回の取材では、お店側の食品ロス削減の取り組みについて学ぶことができました!お忙しい中ありがとうございました!
齊藤さん
こちらこそ、ありがとうございました!

【撮影協力:秋田乃瀧】
《住所》秋田県秋田市大町3丁目1-15
《電話》018-824-1010
《営業時間》17:00~23:00 ※日曜定休

てまえどり・食品ロスについて学ぼう!

じゃんご
食品ロスを減らすためには、1人ひとりが「もったいない」という気持ちを持ち、普段から意識して行動することが大切です。
秋田犬
みんなが「てまえどり」を実践することで、お店の廃棄を減らせるワン!ほかにも家庭で作った料理やお店で注文した料理の「食べきり」、食材を無駄にしない「使いきり」を意識すると、食品ロス削減に貢献できるワン!
じゃんご
秋田県温暖化対策課では、てまえどりや食品ロスについて学べる動画も公開しています。ぜひこちらもチェックしてください!


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