「ウイスキーのような余韻と膨らみを」ウイスキー専用いぶりがっこを生み出した梅川尚樹さんに取材!(美郷町すまっこふぁーむ)

ウイスキー専用いぶりがっこを知っていますか?

なんでもこのいぶりがっこ、ウイスキーと合わせることで深い味わいを楽しめるようなんです!

今回取材させていただくのは、ウイスキー専用いぶりがっこの生みの親であるすまっこふぁーむ代表 梅川尚季さん。ウイスキー専用いぶりがっこの誕生秘話や気になる味について取材してきました!

ウイスキー専用のいぶりがっこはこうしてできている!

いぶりがっこを漬けるための専用小屋

じゃんご
梅川さん、いぶりがっこはすべてここでつくってるんですか?
梅川さん
ここでは漬ける作業だけです。今季漬けた分はぜんぶ真空パックに詰めてます。
じゃんご
そもそも「いぶりがっこ」の作り方を知らない読者もいると思います!僕も勉強したいので教えてください!
梅川さん
わかりました!

私の場合、まずは「大根づくり」から始まります。収穫したら一回洗って、乾燥させます。それからいぶし小屋で乾燥した大根をいぶっていきます。だいたい3日~4日ですね。そしていぶした大根を漬けこんでいくんです。

漬けて、60日以上寝かせてはじめて「漬けあがりました~」という感じになります。

じゃんご
大根をいぶすときに使う「木」って一般的な桜の木ですか?
梅川さん
同級生で大工やっている人がいるのでそこから入手していて「」と「ナラの木」を使ってます。いぶすときに、ピートも焼いています
じゃんご
ピート?(なにこれ…)これはにおいするんですか?
梅川さん
独特の香りがでます。ピートは泥炭と言い、石炭と泥の中間のようなもの。燃料として使用されてます。私が使ってるピートはスコットランドからも仕入れています。
じゃんご
へぇ~!ピートは「香りづけ」の役割を担ってるんですね。
梅川さん
がっこ自体、もともとウイスキーにあうんですよ。ウイスキーと同じ工程でつくることで、味を同調させています。そこに黒い粒見えますよね?これ、ウイスキー樽に使われていたチップです。
じゃんご
あ、ほんとだ。黒い粒ありますね。

がっこを取り出したあとの漬け樽

梅川さん
これは本当にウイスキー樽に使われていたチップです。

ウイスキーを作るときってウイスキー樽の内側を焼くんですよ。そうすると成分が溶け出しやすくなるんです。本当は同調させやすいようにウイスキー樽でがっこを漬けたいですが、漬け樽にチップを入れて、ウイスキー樽の環境に近づけるようにしています。実際にウイスキー樽でいぶりがっこ漬けると、割れてきたりするのでこれ(漬け樽)を使ってます。

このウイスキーもめっちゃ高いの使ってるんですよ。だがらもったいね~と思って使ってます(笑)

じゃんご
めっちゃ高そうですね…これドバドバーっていれちゃうんですもんね…
梅川さん
そうです。
怒られそうな使い方ですが(笑)
じゃんご
それこそいぶりがっこ漬ける時、「ウイスキーを直接入れる」のって梅川さんオリジナルの案ですよね?
梅川さん
んだっすね。
じゃんご
誰もやったことない挑戦すごい。多分日本初ですよ!
梅川さん
まぁ「ビール漬け」とかは存在するんですけど…まず「ウイスキー漬け」というジャンルが無いです…よね?(笑)
じゃんご
そうですよね!?だから僕、すまっこファームさんの「ウイスキー専用いぶりがっこ」を見たときびっくりしたんですよ。「ウイスキーせんよう…?」って(笑)
梅川さん
みなさんつくられてるいぶりがっこも美味しくて好きです。だけど私が作ってるいぶりがっこは、塩分控えめなんですよ。甘さもどちらかというと控えめです。素材の味を意識してつくってます。
じゃんご
大根を一から栽培していることから、素材の味を大切にしているのがうかがえます!

ウイスキーの余韻

いぶりがっこの「いぶし小屋」

梅川さん
例えば、ふつうのいぶりがっこって、味の変化は最初がピークなんです。僕が目指したウイスキー専用いぶりがっこは、余韻を意識してつくっています

ウイスキーは「余韻」が特徴的なんです。最後に余韻がガァ~っとなる感じ。いぶりがっこもウイスキーのような余韻を持たせるように、膨らみあうように意識してます。

じゃんご
いぶりがっこをウイスキーの製法により近づけて、同調させて…ということなんですね。取材してて、だんだんスッキリしてきました!

ウイスキー専用いぶりがっこの販売場所

じゃんご
梅川さんが作っている「ウイスキー専用いぶりがっこ」は、どこに行ったら買えますか?
梅川さん
オンラインショップ美郷町のカフェbungalowさん、横手市の絆Barさんなどでも購入できます。あとは県外の飲食店さんへ直接販売しています。
じゃんご
超ローカルですが、スパセン(美郷町のスーパーの略称)とかでは買えないんですか?
梅川さん
買えません。
じゃんご
それはなぜですか?
梅川さん
なかなか手に入らない「ウイスキー専用いぶりがっこ」がバーやカフェにあると、お店側も提供しやすいし、お客さんもバーなどに行くきっかけになると思うので。
じゃんご
あえて、手に入りにくくしてるんですね~。確かに、バーでこのいぶりがっこでてきたら連続注文しちゃいそう…あ、入手困難だから今日取材終わったらいぶりがっこ、買っていきます!(笑)いいですか?
梅川さん
いいですよ!
じゃんご
やったぁぁぁ!!
(今回は特別に梅川さんから直接購入させていただきました!)

実際に食べてみた!

スライス6枚:480円(税込) ハーフサイズ:700円(税込)

じゃんご
あえてスーパーに売らず、ブランド価値を高めている「ウイスキー専用いぶりがっこ」ですが、種類ありますよね?違いはなんですか?
梅川さん
ウイスキー専用いぶりがっこは2種類あって、こっちが「ライトミディアム」でちょっとクセが弱めのタイプ。ぜひ食べてみてください。
じゃんご
ん~普段食べてるいぶりがっこと違って深みがある~!そんなに味が濃くない感じがします!ウイスキーの味は強くないですね。
梅川さん
そうなんです。「ウイスキー専用」だから、よく「ウイスキー臭いんじゃないか?」と思われがちなんですよ。ウイスキー味ではないんです。ウイスキーと合わせるためのいぶりがっこなので。
じゃんご
味もしっかり続いているのがわかります(ガリガリ)
梅川さん
こっちが「スモーキー&ソルティー」と言って、少しクセの強い感じで甘さがもっと控えめのいぶりがっこになっています。どうぞ食べてください!
じゃんご
いただきます!(ガリッ…)
あ、濃い味だ!ちょっとこっちのほうがウイスキー感漂ってます!僕、濃いほう好きですね~。おいしい。
梅川さん
お酒と合わせる人は「スモーキー&ソルティー」のほうが好きだと思います。
じゃんご
そうですよね~(飲みながら食べたい…)
梅川さん
「ウイスキー専用」って謳ってますが、そのまま食べても大丈夫ですよ。
じゃんご
ん~ずっとうまい!!やっぱり高いウイスキー入っているだけありますね!
梅川さん
んだっすね(笑)
2種類とも販売価格は同じですが、実は「スモーキー&ソルティー」のほうが、じぇんこ(お金)かかってます。笑

あと、普通のタイプのいぶりがっこも売ってますよ。

じゃんご
おお!普通タイプのいぶりがっこもあるんですね。こちらはどこで買えますか?
梅川さん
ラベルをつけたものや一本ものはスパセンイーストモール(地元スーパー)などでお買い求めいただけます。(オンラインショップでも販売)

元バーテンダーが語る誕生秘話

じゃんご
梅川さんはバーテンダーとして働いていた経験があり、そこからウイスキー専用いぶりがっこの着想に至ったようですが、誕生までの経緯やきっかけなどを詳しく聞きたいです。
梅川さん
話せば長くなるんですけどいいっすか?
じゃんご
大丈夫ですっ!
梅川さん
昔、東京の専門学校行ったのですが入学してみると「なんか違うな」って。実は専門学校は3ヶ月で辞めました(笑)

そこからは色々な仕事経験を積みました。寮生活をしながら、長野の老舗旅館でも働いたことがあります。

じゃんご
長野の老舗旅館!?
梅川さん
そう。老舗旅館時代、高橋歩の「毎日が冒険」という本にすごく影響を受けていました。その本を持って男子寮を歩いていたら、たまたま同僚も同じ本を持っていたんです!二人とも「あ~!!!」みたいな(笑)

それからその同僚とめっちゃ仲良くなって、「一緒にバーやろう!」ってなったんです。彼は仙台の人だったので、仙台でバーテンダーの修行。私は東京でバーテンダーの修行をしました。

そして2009年、仙台でショットバーをオープンさせました。二人でね。

じゃんご
ドラマチックな展開ですね~。
梅川さん
ショットバーのオープン記念に、幼なじみが「開店祝いだこれ食べれ」と美郷町のいぶりがっこを持ってきたんです。せっかくだからお客さんに出してみるか…と思い、実際にだしてみたら「これウイスキーにあうし美味しいな~」という反応で。

その時にいぶりがっこのさらなる可能性を見い出しました。地元の名産だし。

もしウイスキー専用のいぶりがっこをつくることができたらもっと喜んでもらえるんじゃないか…」というのがきっかけですね。それから10年後の今、こうして形にすることができました!

じゃんご
そのお店は今でもあるんですか?
梅川さん
そのお店、1年ちょっとして経営的に一人でやるくらいが丁度いいことに気が付いたんです。「自分、実家(美郷町)戻って農業やるか」と決心し、相方を残すかたちで地元へ帰りました。

ショットバーは続いていたのですが、震災の影響でグチャグチャになっちゃってお店をたたむことになりました。彼は今、別の仕事をしています。

自分が美郷町に帰ってきてから農業(トマトなど)で実績だして頑張って、ようやくウイスキー専用いぶりがっこ!といった感じです。

じゃんご
様々な苦労や努力があって、ウイスキー専用いぶりがっこが誕生したんですね。

生産者のエピソードを知ってから食べるものっていっそう美味しく感じられますよね。このエピソード聞けてよかったです!泣

梅川さん
といっても、冬の一人分くらいの稼ぎにしかならないけど、形にできて嬉しいです。
梅川さん
ウイスキー専用いぶりがっこはそのまま食べても美味しいですが、口の中でウイスキーと合わせたときに初めて味が完成します。

自分が好きなウイスキー合わせることで味の変化が楽しめますので、ぜひ自分好みの組み合わせを見つけていただけたらと思います!

じゃんご
まだ午前中ですが、帰って昼間からウイスキーと合わせて食べます!今回は貴重なお話、ありがとうございました!

さいごに

いぶりがっこづくりは、ゼロからのスタート。

梅川さんは地元のいぶりがっこ生産者へ直接話を聞きに行ったり、何度も試作を重ねて「ウイスキー専用いぶりがっこ」をつくりました。現在は新たないぶりがっこを開発中とのことで、次なる朗報も楽しみです!

梅川さんは農作業が忙しく、オンラインショップ販売は3/25までの予定です。みなさんも買ってみてくださいね!

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