ブログを書くとき、事務所に向かうとき、お風呂に入っているとき、いつもラジオを聞いている。
いまだって『Creepy Nutsのオールナイトニッポン』を聞いている。ちょうどDJ松永さんが「コカイン」というワードを強調し始めたから、タイピングしている指より耳に意識が向きそうになる。それでも今日は、書き留めておきたいことがたくさんあるんだ。
佐久間宣行のずるい仕事術
先日、『佐久間宣行のずるい仕事術』が自宅に届いた。
佐久間さんといえば、キス我慢選手権をはじめとした伝説的なコーナー盛りだくさんの『ゴッドタン(テレビ東京)』や、ゲストの本音をオードリーさんがひも解くトーク番組『あちこちオードリー(テレビ東京)』などを手掛ける、フリーランスのテレビプロデューサーだ。
さらには、『佐久間宣行のオールナイトニッポン0』のパーソナリティを毎週深夜27時から担当する、“スーパーエンタメおじさん”としても知られている。長時間にわたるエピソードトークや、家族のほっこりエピソードの後に「ガハハ!」と笑うあの声が大好きで、初回から欠かさず聞いている。
仙台で放映された『ゴッドタン キス我慢選手権 THE MOVIE』や、東京で開催された『マジ歌ライブ』も見に行ったから、僕はラジオ好きというより、佐久間さんが手掛けるコンテンツ好きなんだと思う。気づけば僕は、佐久間ファンになっていた。
だからファンとして、リスナーとして、フリーランスとして、どうしてもこの本を読破したかった。あっという間に読破してしまったので、恐縮ながら感想を書こうと思う。
サラリーマン・フリーランスの立ち回りが学べる
この本を一言で説明すると、「僕はこうして会社で消耗せずにやりたいことをやってきた」という表紙の見出しの通り、サラリーマンやフリーランスにとってヒントとなる佐久間論が詰め込まれた一冊だった。
AD(部下)目線の考え方、プロデューサー(上司)目線の考え方、両者の目線の仕事術を盛り込んでいるのが”ずるい”ポイントだと思う。この内容だったら、新入社員やフリーランス1年目でも読みたいし、マネジメントを任されたリーダーだって読みたくなる。これまで佐久間さんが歩んできた道の攻略法が、ぎゅっと詰め込まれていた。
一見、「テレビやラジオ、お笑いやエンタメが好きすぎて成功したおじさん」に見えるが、実はそうじゃない。成功の裏には自分のやりたいことを実現するための「企み」や、実績にともなう「持論」があり、本書ではそれを惜しみなく伝えている。
なにより、パーソナルな情報を得られるSNSやラジオでは垣間見えない、仕事人・佐久間宣行の脳内を覗くことができるのがファンにとっては嬉しいポイントでもあった。(普段使っているかばんの中身なども公開されている。アイドルみたい!)
「第1章の最初」を読むだけでも価値あり
『佐久間宣行のずるい仕事術』を読破したのだが、第1章の最初だけがずっと頭に残っている。
あらゆるクリエイターは冒頭1秒から「ここ1番のコンテンツ」を見せつけて、僕たちをハッとさせるのが得意だ。だから、第1章の最初に佐久間さんの仕事術が詰め込まれている気がしてならないのである。どんな仕事においても共通してあてはまる、とても大切なことが述べられていた。
残念ながら「最初の項目(もくじ)」はAmazonでも公開されていないので、ぜひ購入して確かめていただきたい。この項目を見ただけで、「マジで買ってよかった」と思えた本は初めてだ。
実際の企画書が公開されている
『佐久間宣行のずるい仕事術』には、佐久間さんが25歳の頃に提出した実際の企画書が公開されている。これは業界関係者のみならず、あたらしい商品やサービスを考えるサラリーマン必見の“お宝情報”だと思う。
…やっぱり、上手すぎる。
当時25歳とはいえ、ここまで完璧に読者(上司)の心を揺さぶる構成を組み、「この企画、イケそうだなぁ!」と思わせる流れはアッパレとしか言いようがない。
見やすさ、わかりやすさ、伝え方。「自分の企画を通したい」ともくろんでいる人は、この企画書の形式を徹底的にパクるべきだ。僕が今でもサラリーマンだったら絶対にパクろうと思うし、卑しい考えだが、本書の存在を誰にも教えなかっただろう。
ゆかりの人インタビューも充実
本書には、佐久間さんとゆかりがある仕事仲間のインタビューも掲載されている。
本人のラジオでも話しているので問題はないと思うが、お笑いコンビ・おぎやはぎのお二人や、第三のバナナマンとして知られている放送作家・オークラさんなどのインタビューだ。インタビューは仕事論といようり佐久間ファンが楽しめる項目で、普段の佐久間さんからは語られない「知られざる一面」を学ぶことができた。
僕が読んだらどのインタビューもフルボイスで脳内再生されたので、佐久間(ラジオ)ファンは必見の項目だ。
おわりに
『佐久間宣行のずるい仕事術』の最後のページには、佐久間さんのあとがき(おわりに)が掲載されている。ラジオのしゃべり言葉に近かったので、ほとんど校正は入っていないと思う。
『佐久間宣行のオールナイトニッポン0』のエンディング、ビタースウィート・サンバが聞こえてきそうな「あとがき」を読んだら、ちょっぴり目頭が熱くなった。少なくとも佐久間ファンにはグッとくる内容だと思うので、ぜひ最後まで読み進めてほしい。
今日は水曜日。佐久間さんのラジオの日だ。また「ガハハ!」って笑ってくれるだろうから、元気をもらいに行こうと思う。
本の名前 | 佐久間宣行のずるい仕事術 |
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発売日 | 2022年4月6日 |
Amazon価格 | 1,650円(税込) |
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