最近、「てまえどり」という言葉をよく耳にしますが、みなさんご存知でしょうか?そういえば、スーパーに「てまえどり」と書かれた秋田犬のポスターがあったような…。
そうそう、これです!
でも「てまえどり」って、なんだろう?
僕が「てまえどり」について、解説するワン!
(秋田犬がしゃべってる!?)
「てまえどり」とは?
2020年のデータに基づく国の推計によると、全国の食品ロスは年間522万トンあったワン。なかでも家庭から出たものが247万トンで、食品ロス全体の半分に近い47%にもなることがわかったワン!
めっちゃ食べ物を捨てている、ってことだよね。もったいない…。
そうだワン。日本人は毎日、おにぎり1個分の食べ物を捨てている計算になるんだワン!
どうしたら食品ロスを減らせるの?
そこで、「てまえどり」だワン!(キラーン)
てまえどりとは、お店で購入してすぐに食べる場合に、商品棚の手前にある商品や販売期限の迫った商品を積極的に選ぶ購買行動のことだワン!
「手前にある商品を選ぶ」から、てまえどりなんだね。てまえどりをすると、スーパーの廃棄量を減らせるということか!
秋田県にも「てまえどりを推奨しているお店」ってあるの?
たくさんあるワン。今回はてまえどりを推進している株式会社ナイスさんにアポをとっておいたワン!さっそく取材してくるのだワン!
それじゃ、行ってくるワン!
食品ロス削減に取り組む 株式会社ナイス
本日はよろしくお願いしますだワ…お願いします!今回はこちらのお二人にお話しを聞きました。
食品ロス削減のために、株式会社ナイスではどんな取り組みをしていますか?
消費期限が迫った商品に「値引きシール」を貼っています。お惣菜などはその日に作っているので鮮度が命。その日に売れなければ、すべて廃棄しているんです。なのでそれを避けるために、値引きシールを貼っているんですよ。
僕たちが値引きシールが貼られた商品を買うことは、食品ロス削減につながっているんですね。お得だし、食品ロス削減にも貢献できる。
食品ロス削減のために呼びかけている「てまえどり」ですが、お客様の反応はいかがですか?
てまえどりという言葉自体は、お客様に浸透してきていると思います。言葉だけだと「古いものから買ってください」と思われがちですが、「食品ロス削減や環境保全につながっている」ということを考えて、てまえどりを実践いただけたらうれしいです。
でも実際、てまえどりを実践してくださるお客様もいれば、奥のほうから選ばれるお客様もいるのが現状です。
「消費期限が長いほうがお得」という考え方は、当然の心理だと思います。そこで、値引きシールの出番です。買ってすぐに消費するなら、安いほうを選びますよね。ナイスではこのような取り組みをして、食品ロス削減に貢献しています。
なるほど~!これからスーパーで見かける「値引きシール」の見え方が変わります。
お店の入り口にポスターを設置するなどして、てまえどりを呼び掛けています。
ポスターは大きくて視認性バッチリです。じゃんごさんもスーパーに行く際は、注目してくださいね!
食品ロス削減のために「お店ができること」
てまえどりのほかに、食品ロス削減に取り組んでいることはありますか?
「惣菜などを作りすぎない」、料理に合わせて使いきれるように「大・中・小パックを用意する」など、工夫をしています。
数年前、スーパーなどにおける「恵方巻の食品ロス」が問題になりました。それを受けて私たちも作りすぎないよう、季節や行事の食べ物は事前予約制にしたんです。予約制の商品は事前に作る量が把握できるので、食品ロスを減らすことができます。
食品ロス削減以外に環境保全活動など、取り組んでいることはありますか?
店頭で「トレイや牛乳パックの回収」をしたり、宅配サービスの際に「資源ごみを回収する」という取り組みも実践しています。
宅配時に資源ごみの回収!?
はい。お客様は曜日に関係なくダンボールなどの資源ごみを出せるので、非常によろこばれています。SDGsが浸透したおかげもあって、回収率は年々伸びています。※ナイスネットスーパーについて詳しくはこちら
スーパーで食品ロスを意識する場面って、どんな時ですか?
私の場合、自分で廃棄する商品を確認して、それをごみとして捨てる作業をしています。ごみが多ければ多いほど、もったいなさを感じています。
廃棄を減らす工夫はしていますか?
毎日売れ行きを計算して、その日に出す商品量を決めています。例えば秋から冬にかけて気温が下がると、鍋用の魚は売れますが、お刺身ってあまり売れなくなるんです。毎年、同様のデータが出ています。
寒くなると刺身が売れない!?どうして?
急に寒くなったこの時期って、あったかい鍋を食べたいじゃないですか。なので冷たいお刺身より、鍋用のお魚が売れるのだと思います。
これまでに集めたデータを踏まえて、天候や気温、季節や行事にあわせた品出しをしています。その結果、以前よりナイス全体での廃棄率は減少しました。
天候や気温によって売れる量が違うんですね。知らなかった~!
食品ロス削減のために「消費者ができること」
今後、てまえどりをはじめとした食品ロス削減の取り組みを、どう推進していきたいですか?
お店として、世界中の目標として、食品ロスを減らさなければなりません。食品ロス削減の取り組みは始まったばかりですが、お客様にもお店にもメリットがある形で提案し続ければ、根付くのではと考えています。
お惣菜などの食品は、私たちが毎日手間暇かけて作っています。せっかく頑張って作ったものを捨てないよう、食品ロス削減に関わる取り組みを推奨していきたいです。
せっかく作ったものが廃棄されるなんて、もったいないですもんね。
みなさんのお気持ちひとつで、食品ロス削減につながります。少しずつでもいいので、てまえどりにご協力いただけたらと思います。
最近では、「早めに値引きする」という取り組みもはじめました。価値のあるうちに値引きシールを貼ることで、廃棄を少なくする取り組みです。お客様にはお得に買っていただき、お店は食品ロスを削減できる。ぜひ値引きシールが貼られている商品を見かけたら、積極的にご購入いただけたらと思います。
食品ロス削減のためにてまえどりを呼びかけるなど、スーパーの取り組みについて詳しく知ることができました。ありがとうございました!
【株式会社ナイス 仁井田南店】
《住所》秋田県秋田市仁井田本町5丁目6-6
《HP》https://www.nices.co.jp/
てまえどり・食品ロスについて学ぼう!
食品ロスを減らすためには、1人ひとりが「もったいない」という気持ちを持ち、普段から意識して行動することが大切です。
みんなが「てまえどり」を実践することで、お店の廃棄を減らせるワン!ほかにも家庭で作った料理やお店で注文した料理の「食べきり」、食材を無駄にしない「使いきり」を意識すると、食品ロス削減に貢献できるワン!
秋田県温暖化対策課では、てまえどりや食品ロスについて学べる動画を公開しています。ぜひこちらもチェックしてください!