みなさんは、秋田県のマスコットキャラクター、スギッチを知っていますか?
「知っていますか?」…というより、覚えていますか?
というのも、スギッチはすでに引退しているマスコットキャラクターだからです。
秋田県出身・在住の筆者にとってスギッチは、初恋のあの人同様、生涯忘れることのできないキャラクターです。なので引退のニュースが発表された際は、「嘘でした」って言ってくれ!と何度も思っていたし、どうかトリッキーなサプライズキャンペーンであってくれ!…と願うばかりでした。
そんな願いは叶うことなく、去り際も笑顔を絶やさなかったスギッチですが、そもそもなぜ引退したのか?…を筆者は知りませんでした。
そこでスギッチの引退情報を調査したところ、思いがけない衝撃事実が発覚したので、ここに記しておこうと考えた次第であります。
全国のスギッチファンのみなさま、ぜひご覧ください。
目次
スギッチとは?
まずはスギッチの存在を知らない方のために、プロフィールを丸裸にしてみましょう。
秋田わか杉国体・秋田わか杉大会のキャラクター
- 秋田わか杉国体・秋田わか杉大会のキャラクターとして誕生(2007年)
- その後、秋田県のPRや県政広報などを担当
- 2017年に引退
常に笑顔をたやさない仏顔・スギッチは、国体のキャラクターとして誕生したのち、秋田県のPRや県政広報などを務めるようになりました。
国体後は、「キャラクター」から「県職員」と位置づけされ、「主任」という役職まで手にしています。多くの県民の目に触れるこの職業…給料体制が気になりますね。
筆者の記憶によるとスギッチは、「イラストver.」、「マスコットver.」が存在しており、「イラストver.」のデフォルトは、右手に国体の炬火トーチを所持しています。イラストならではのコラボレーション(水泳ver.、野球ver.など)も多く存在し、グッズ化もしていた記憶があります。
子供たちへの認知度がハンパない
なぜスギッチは引退して5年以上も経過しているのに、秋田県民の心に残っているのでしょうか。
それはテレビや広報誌、新聞、イベントなど、ありとあらゆる県内メディアに露出しまくっていたからです。
特筆すべきは、当時の子供からの認知度がハンパなかった点。
スギッチといえば「国体のキャラ」として認知されていますが、当時子供だった筆者からすると、「給食の牛乳のキャラクター」として認知していました。
そのころの給食はちょうど、牛乳瓶から紙パック牛乳へ移行する・している期間でした。
最初は、「農協牛乳」というドデかく印刷された紙パック牛乳が提供されていましたが、いつからか「秋田県産」などというプラカードを掲げたスギッチ牛乳にすり替わっていたのです。しかも予告なしで!長期間も!(たしかプラカードを持っていないver.もあったはず)
なので学校へ登校すると、もれなく給食の時間にスギッチの顔を拝むことになり、いわば「スギッチというキャラクターの刷り込み」が行われ、子供からの認知を着実に得ていたのです。
「これほど秋田県の広報力を発揮したPR戦略は、後にも先にも誕生しないのでは?」と思ってしまうほど、アッパレな広報ですよね。2023年でもこうして「スギッチ牛乳」の話題で盛り上がっているので←
さらにスギッチは「絵にしやすい」、「名前を覚えやすい」のが魅力です。ドラえもんの次くらいに描きやすく、絵しりとりでは大活躍してくれる万能キャラでした。子供から愛される要素がたっぷりあったスギッチのレアリティは、きっとSSR以上です。
だからこそ、スギッチの引退は、筆者にとってショッキングな出来事だった…というわけです。
ゆるキャラグランプリでの偉業
スギッチゆるキャラグランプリ順位 | |
---|---|
2014年 | 979位 |
2015年 | 146位 |
スギッチはご当地キャラクターとしても人気を博していました。
過去に行われた「ゆるきゃらグランプリ」では、2012年から2015年まで4年連続で出場し、2015年には前年から800位以上も順位を上げてランクインしています。1727体中の146位。この結果を見ると、いかに県民から愛されていたのかがわかります。
これは前項でも述べた「スギッチ牛乳戦略」や広報誌などをはじめとする、メディア露出をしまくる戦略がハマったからではないでしょうか。
スギッチ引退の理由
本題の、「スギッチ引退の理由」は以下の通りです。
「んだッチが出てきたから」ではない
スギッチと共存する形で2015年にデビューした、「んだッチ」。
んだッチはなまはげ型の子供ロボットをイメージした秋田県のPRキャラクターで、スギッチ同様のムーブをしていました。
スギッチが引退する理由として、「スギッチの引退はんだッチが出てきたからなのでは?」という考え方ができますが、そうではないようです。
「本当の理由」が秋田県HPで公開されている
スギッチが引退したのは、んだッチが誕生したからではない…となると、本当の理由はどこにあるのでしょうか。
その答えが、秋田県公式HPの「県民の声」で公開されていました。(該当リンクはこちら)
秋田県HP「美の国あきたネット」で公開されている、県民から寄せられた質問(提案・要望)に、県が回答するコーナー。
そこで綴られていたのは、「(林業などの活性化にも貢献する)スギッチをなぜ引退させるのか?」という県民からの声と、秋田県が回答した「スギッチが引退した本当の理由」でした。
下記、ざっくりとまとめました。
- スギッチ原作者と覚書の更新ができず、引退させるしかなかった
- 更新できない理由は、「スギッチを引退させたい」という原著作者の意向
- 秋田県としてはスギッチを続投させたかった(県は更新の申し入れをしていた)
この回答を受けて、筆者は県がスギッチ続投を望んでいたことに驚きました。
「スギッチ引退」~「んだッチ登場」のくだりは、新規性や話題性を狙った計画的戦略で、「次からは新キャラのんだッチに広報を任せよう!」となったとばかり思っていたので…。
地元新聞によると、スギッチの原作者は「県内に2種類のキャラクターがいると、お互いの存在がぼやけてしまう」とも話していたそうです。
県の回答の最後には、「スギッチが長年にわたって活躍した証として、県公文書館や県立博物館などにモニュメントを展示することにしております。スギッチの役割は、んだッチが引き継ぎ、これまで以上に本県のPRに尽力することにしておりますので、御理解と御支援をお願いします。」とありました。
私たちのスギッチは永久に不滅です!…といったところでしょうか。
スギッチは青春だ
出会いがあれば別れもある。
スギッチは青春の1ページを彩るような、アツい活躍をしてくれた秋田県のキャラクターです。
現在、んだッチがスギッチの意思(職務)を引き継いで頑張っています。いまさら原作者の方をどうこう言うつもりもないし(最初から何も言ってない)、
「平成→令和のように、『最初だけの違和感』に執着していても前に進めないしなぁ~。んだッチも定着してきたしなぁ~」
…などと思って記事を書いてます。…てか、2023年にスギッチの話題で盛り上がっているのは、筆者くらいか(笑)。
と、いいつつも「スギッチの復活」を心のどこかで期待しているのも事実です。
なんならナミー&ハギーも一緒に、「ドリームモーニング娘。」のような形で再集結してくれたら、筆者ならびに県民の心がオーバーヒートすること間違いありません。
そして、スギッチの亡骸は、今どうなってるのかな~?倉庫にあるのかな~?と、また余計なことばかり考えてしまっています(笑)。そろそろやめよ!
最後まで読み進めてくださり、ありがとうございました!
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