暑い夏の夜、僕はまっとうに生きようと誓う。

高校卒業時に贈呈されたデジタル時計の液晶は、31.7℃をさしている。これまで約10年間、電池の交換をしていないのによく動いてくれている。

10年も同じ仕事してて、えらいな。
お前、すごいな。

僕なんか新卒で就職をした会社を2年半で辞めてるし、「ブログを毎日更新する」と鼻息荒くしていたのにもかかわらず、1か月くらい平気な顔して手をつけていないのだから…お前はすごい。

会社を辞め、フリーランスとなった僕は、毎朝デジタル電波時計のアラームにお世話になる必要はなくなった。起きるタイミング、仕事をするタイミング、ゲームをするタイミング、寝るタイミング…すべてを自分で選択できる働き方を選んだから。

 

ふと思う。
みんなすごいなって。

毎朝同じ時間に起きる。

出勤する。

つらい日もちゃんと出勤する。

上司に怒られる。

上司に褒められる。

クライアントにつくり作り笑いする。

残業をする。

成果を出す。

愚痴を吐き出して、月曜日を迎える。

こんなことを言えば、「普通でしょ?」とあしらわれるのがオチですが、僕はその「普通」が、すごいと思っている。

 

「じゃんごだってすごいよ」

と、言われることがある。

「1人で全部やるのはすごい」、「こんなにブログを続けることはできない」、「講師なんてできない」…僕はとっても陰湿な性格をしているので、この言葉には作り笑いで返している。だって、みんなのほうが普通にすごいし、全然たいしたことをしていないから。現状、満足のいく結果を出せていないから。

 

僕は貪欲だ。

だから虚勢を張って、意地になる。

秋田のブロガーとしてもっと上にいきたい。秋田、東北を代表するYouTuberになりたい。影響力を持ちたい。おしゃれで人気のあるお店をつくりたい。お金持ちになりたい。幸せな家庭を築きたい。子供たちに憧れられたい。秋田でもこういう働き方ができるんだ!って、夢を与えたい。

 

「まっとうに生きる」とは、どういうことだろう。

新卒でいい会社に入って、そこそこ稼いで、結婚して家庭を築いて、親に旅行をプレゼントすることか。

僕は自分の気持ちに素直になることが、「まっとうに生きる」ということだと思う。

だから27歳にして、いまだに夢追い人でい続けているし、こうして未来に残るであろうクソ恥ずかしいことも、普通に書けてしまうのだ。

そりゃ、仕事を依頼してくださるクライアントやどえらい社長の前で「うっせえわ!」なんて言えるメンタルを持ち合わせてはいないが、自分の気持ちは、とても大切にしている。

自分はどう感じているのか。嬉しいのか、楽しいのか、悲しいのか、悔しいのか…。

 

こんな僕を、応援してくれる人がいる。

一緒に、協力してくれる人がいる。

だからその人のために、まっとうに生きて、今日思い描いている夢を叶えたいと思うんだ。

 

デジタル時計の液晶は、32℃をさしている。

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